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脳が忘れてもきっと心が覚えている。

  • 投稿者: ひょろ   [2019年 08月 28日 22時 56分]
彼の記憶は事故で1日しか持たなかった。
「前向性健忘症」という病気を患ってしまった主人公はあるときから彼の通う高校の生徒会長から毎朝注意を受けるようになる。

これは1日しか記憶を保てない少年と真面目な生徒会長のほろ苦いけど救いのある恋愛物語。


まずは作品のページを開いてみてほしい。
そこには美しい絵が飾られている。
そしてこの作品はそんな絵に負けないほどの綺麗な物語が描かれている。

主人公が生徒会長に注意されるようになる動機とか、そこから始まる2人の関係性とかがついつい微笑ましくってニヤけてしまうでしょう 笑

ただただ微笑ましいだけでなく、途中ビターな展開もありますが、諦めず最後まで読めばきっと希望はあります。
たとえ脳が忘れていても心が覚えている。
人間とはきっとそんなものでできているのです。

最後まで読めば心に響く、そんな作品を是非読んでみてください。

事故で記憶障害を患った少年と、心に傷を負い、正しさに縛られた少女の、切なくも暖かい、良質なラブストーリーです。マジでおすすめ!!


 名作。

 この物語を表すうえで、これ以上適切な言葉があるだろうか。
 「前向性健忘症」という難しいテーマを扱っているにも関わらず、そのことを微塵も感じさせない高いストーリー性。他にも、親しみやすい文章や、主人公のリアルな感情描写など、良い点を挙げればキリがない。

 何度も繰り返すようだが、とんでもない名作である。

 なにせ、異世界チーレム俺TUEEE!を求めてランキングを彷徨っていた自分が、発掘作業を中断して一気読みしてしまうくらいである。
 俺TUEEE!成分は補給されなかったが、代わりに何だか暖かいもので心の中が満たされてしまった。

 端的に言うとマジパない。
 「面白い」では言葉が違うが、マジで良いお話である。

 タイトルで若干ネタバレしてしまったが、詳しい内容はぜひご自身の目で確かめていただきたい。読み終える頃にはきっと、胸の内に暖かい何かが込み上げて来るはずだ。

一人の歌手の想いをぶつけた名曲。そんな作品です。

昨日のあなたは今日のあなたに何を残しますか?

覚えてないけれど伝えたい。覚えてないけれど大切にしたい。覚えてないからこそ踏み出したい。

好きな人に気付いて欲しい。大事にしたいからこそ忘れてしまいたい。

でも。

忘れてしまっても無くせなかった想いがあった。

一人の記憶障害の少年の半生を通して、そんなちょっといじらしいような、くすぐったいような、胸を突かれるような感情がストレートに伝わってきます。

読み終えてから一つ大きく息を吐いて、まるで想いの全てを乗せた名曲でも聞いたかのように錯覚することでしょう。

自分が今何をしているのか見失っているあなた。ぜひ読んでみて下さい。どうやら人間には忘れてしまった程度では消せない何かがあるらしいですよ。

あなたも明日の誰かのために、今、頑張って下さい。

たとえ明日、記憶がなくなっても、「今日」の自分が、きっと変えてくれる

  • 投稿者: 退会済み   [2016年 12月 11日 14時 54分]
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物語は前向性健忘症を患った主人公の男の子と、憧れていた生徒会長の女の子との青春ラブストーリーです。

まず、前向性健忘症とは何か? を簡単に説明しますと、ある時間軸、例えば「今日」を境とし、そこから未来、つまるところ、明日以降の記憶ができなくなる症状になります。

寝て起きたら「今日」と書いた後の記憶がないのです。

そんな障害を抱える主人公ですが、筆記でノートに記録を取ったりして「今日」以降の記憶を残そうと必死になって作中を生きていきます。

そして、もう一人の登場人物である生徒会長の女の子ですが、紐解いていくと純朴な等身大の女子高生が描かれていて何とも可愛らしいのが魅力です。

『たとえ明日、記憶がなくなっても、「今日」の自分が、きっと変えてくれる』

明日を忘れても、「今日」を生きる自分が未来を変えてくれる、そんな強い意思が込められた本作品を、どうかご自身の目で見届けてあげて下さい。
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